2017年の11月、BMW F31のオーディオを、丸ごと自分で組み直しました。ドアのデッドニングから、スピーカー交換、チャンネルフィルターの自作、そして最後にDSPの導入まで。作業は約1か月かかっています。
その記録が、みんカラの整備手帳に10件残っていました。読み返して、いちばん自分で笑ったのがここです。
はんだ付けして自作したチャンネルフィルターを、3週間後に使わなくなっています。
この記事は、うまくいった話ではありません。やった順番と、そのたびに詰まったところを、そのまま書きます。業者に頼まず自分でやるとどうなるか、という記録です。
カーオーディオを自分で組んだ1か月の作業順
| 11月5日 | アンプボード作成/トランクから電源・スピーカーケーブルを配線 |
| 11月7日 | フロントドアのデッドニング(外鉄板)/スピーカーコード通線 |
| 11月11日 | Bit DMI設置/ツイーター取付/ミッド取付 |
| 11月12日 | 2wayチャンネルフィルターを自作(はんだ付け) |
| 11月19日 | 内鉄板のサービスホール周りをレアルシルトで制振 |
| 12月3日 | 🔴 3way化を決断。Helix DSP pro mkⅡ導入/シート下ウーハー設置 |
11月12日に「最後の工程」と書いてフィルターを作り終えているのに、12月3日には別の構成に作り直しています。この3週間に何があったのかが、この記事の中身です。

ドアのデッドニングは2回に分けた|外鉄板のダイナマットと、サービスホールのレアルシルト
まず外鉄板の制振から始めました。ダイナマットを貼り、スピーカーの背面にパワーパッド、吸音用にミニソネックスを貼っています。

このとき、サービスホール周りはあえて後回しにしました。当時の記録にも「サービスホールは、別途、レアルシルト等で後日実施予定」と書いています。
レアルシルトが届いたのは12日後の11月19日でした。内鉄板のサービスホール周りを、ここで制振しています。

🔴 デッドニングを一度で終わらせようとしないほうがいい、というのがここでの実感です。材料の到着待ちで作業が止まると、そのまま「まあいいか」になりがちです。外鉄板だけ先にやって音を出しておくと、続きをやる気になります。
ドアのスピーカーコード通線|穴はベルデン1本ぶんしかなかった
ドアへのスピーカーコードの通線は、前に乗っていたE46とほぼ同じ構造でした。BMWで同じことをやる方には参考になると思います。
ただし余裕はありません。当時の記録にはこうあります。
前車E46とほぼ同じ構造。ベルデンの赤黒がちょうど1本通るくらいしかありません。
あとから3way化することになるのですが、この時点で「1本しか通らない」と分かっていたのは、結果的に大きかったです。太いケーブルを何本も通す前提で設計していたら、詰んでいました。

スピーカーはスキャンスピーク|バッフルは12mmバーチ合板
ミッドは純正のトレードインJBLから、スキャンスピークの10cmミッドドライバーへ交換しました。バッフルは12mmのバーチ合板を切り出しています。ツイーターも同じスキャンスピークです。

ここで当時、正直に書いていることがあります。
ユニットは、伝家の宝刀、スキャンスピークの10cmミッドドライバー。カー用なので、安っぽくて軽いです。
ホーム用のスキャンスピークを知っていると、カー用は作りが違います。ブランドが同じでも、同じものが来ると思わないほうがいいという話です。

🔴 純正ヘッドから信号を取り出す|光ファイバーが曲げられず、Bit DMIの置き場所で困った
純正のヘッドユニットから信号を取り出すために、Bit DMIを入れています。ここで詰まったのが置き場所でした。
結局タイラップでグローブボックス内に固定しています。理由はこれです。

光ファイバーの処理が、Rを小さく取れないのでやっかい。
電線の感覚で「ここに押し込めばいい」と考えていると、必ずここで止まります。光ケーブルは急な曲げに弱く、無理に曲げると信号が通らなくなります。取り付け場所は、ケーブルが緩いカーブを描ける広さから逆算して決めることになります。
2wayのチャンネルフィルターを、はんだ付けで作った
11月12日、当時の私は「最後の工程」と書いています。2wayのチャンネルフィルターの自作です。
- 構成はシンプルに一次のフィルター
- クロスオーバーはできるだけツイーターを生かすべく2kHzの設計
- 「久しぶりのはんだ付けで思いの他、時間がかかりようやく1個完成」
1個作るのに一日仕事です。左右で2個要ります。

この時点では、これで完成のつもりでした。
🔴 3週間後、低音が足りずに3way化|カーオーディオ DSPを後付けした本当の理由
12月3日の記録は、こう始まっています。
なんかやっぱり低音が物足りないので、結局3way化。
2wayで組み上げて、3週間ほど聴いてみて、出た結論がこれでした。自作したフィルターは、この判断で出番がなくなります。
ここで、素直にアナログのフィルターを作り足す道もありました。実際、最初はそのつもりでした。やめた理由は、はっきりしています。
当初はアナログのフィルターを作ってやるつもりでしたが、よくよく考えると、ラックスマンのアンプのゲイン調整が、2chごとに共通になっているので、やろうと思うとフィルターのチャネル毎にレベル調整のアッテネーターを組み込まねばならず、なかなかめんどくさいので、結局、DSPを導入。
ここは、これから自作でやろうとしている方に伝えたいところです。
🔴 2wayまでは自作フィルターで十分やれます。3wayになった瞬間に、アンプ側のゲイン調整の仕様が効いてきます。使っているアンプが2chごとの共通ゲインなら、ユニットごとのレベル合わせができません。そこを埋めるにはアッテネーターをチャンネルの数だけ組むことになり、手間と部品が一気に増えます。
DSPを買うかどうかの分かれ目は、音質の好みではなく手持ちのアンプの仕様でした。

🔴 Helix DSP pro mkⅡは、配線が終わってから2回つまずいた
導入したのはHelix DSP pro mkⅡです。当時の記録にはこうあります。
配線は比較的簡単に終わったが。。。
この「が。。。」から先が本番でした。
① リモコン(Director)が認識されない
まず、リモートコントローラーのDirectorが認識されませんでした。ここで一度、作業が止まっています。
解決したのは、詳しい方に聞いたのと、海外サイトを検索しまくった結果でした。
② 今度は音が出ない ― パワーセーブモードだった
Directorが映るようになって、次は音が出ませんでした。
原因はDSPのリモートアウトがオフになっていたことです。さらに追うと、パワーセーブモードが有効(enable)になっているのが理由でした。マニュアルを読み直して、ようやく分かっています。
その日の記録の締めが、これです。
明日、またチャレンジの予定。日本語の取付けやユーザーマニュアルがないので苦労します
🔴 海外製のDSPを入れるときは、本体の値段だけで判断しないでください。詰まったときに日本語の資料がありません。私の場合、配線そのものは半日で終わって、そこから先の設定で2回止まっています。
🔴 シート下ウーハーが、純正のボックスに当たって入らない
3way化の低音側は、前の車(E46)で使っていたスキャンスピークの18cmウーハーを、そのままシート下へ移しました。
ここでも一手間かかっています。
マグネット部が巨大で、純正のウーハーボックスに干渉してなかなかうまく収まりませんでしたが、削ったりなんやかんやと一苦労して何とか納めました。
シート下は、寸法の余裕がいちばん少ない場所です。ユニットの外径だけ見て決めると、マグネットで引っかかります。カタログに載っているのは振動板側の直径で、後ろがどれだけ出っ張るかは別の話です。

なお、このウーハーはE46から移設したものです。私のやり方は、車が変わってもスピーカーとバッフルを載せ替えて連れて行く、というものでした。ユニットは車より長持ちします。

5年前のE46でも同じだった|アンプを替えたらオルタネーターノイズが出た
同じことを、2012年にE46でもやっています。読み返すと、詰まり方まで似ていました。
- 音出しの日にヘッドの電源が入らない。調べたら電源コネクターのピンが外れていた。「これってもどりがあって抜けないようにできてるはずなのに」。おまけにヒューズも飛んでいた
- ツイーターを1個飛ばした。代わりが1週間待ちだったので、家にあったLINN TUKAN(ホーム用のブックシェルフ)からツイーターを引っぺがして代打にした。「これが結構いいです。さすがLINN!」
- アンプを載せ替えたらオルタネーターノイズが出た
3つ目は、けっこう堪えました。当時の記録がこれです。
今日は、アンプ載せ替えてから、近所の温泉に行くのに30分ほど走りましたが、いやはやヒューンヒューンってオルタネーターノイズがすごいわ。おまけアンプの時は全然なかったのに。。。
🔴 オルタネーターノイズは、アンプを替えた瞬間に出ることがあります。エンジンの回転に合わせて「ヒューン」と上下する音です。前のアンプで出ていなかったからといって、次も出ないとは限りません。アンプ側の入力の作りと、電源やアースの取り方の相性で変わります。
ちなみに、そのときの結論はこうでした。
ま、でも、おまけアンプで700kmくらい走ったので、音の変わりようは、よくわかりました。十分合格!このアンプ。
ノイズは出たが、音は良くなった。だから残す。DIYは、この手の割り切りの連続です。
カーオーディオを自分でやる方へ、5つ
- デッドニングは分けてよい。外鉄板を先にやって一度音を出す。サービスホールは材料が届いてからで間に合う
- ドアに通せるケーブルの本数を、最初に確かめる。BMWの場合、ベルデンの赤黒が1本通るのがやっとだった
- 🔴 3wayにするなら、先にアンプのゲイン調整の仕様を見る。2chごとの共通ゲインだと、ユニットごとのレベル合わせができない。ここがDSPを買うかどうかの分かれ目になる
- 🔴 海外製DSPは、配線より設定で止まる。日本語マニュアルが無いことを前提に、時間を多めに見ておく
- シート下に入れるユニットは、マグネットの出っ張りで決まる。振動板の直径だけ見て買わない
そして最後に、いちばん言いたいことを。
1か月で終わると思っていた作業が、1か月かかりました。そして、その1か月のうち3週間ぶんの設計は、作り直しています。それでも自分でやる価値があるのは、どこが効いてどこが効かなかったかが、全部自分の手の中に残るからです。
業者に頼めば、たぶん1日で終わって、きれいに鳴ったはずです。ただ、そのときは「なんかやっぱり低音が物足りない」と気づくまでに、もっと時間がかかったと思います。
※ この記事は2012年および2017年当時の作業記録によるものです。製品の仕様や入手性は現在と異なる場合があります。
