こんにちは、カーすきです。2025年9月、ついにブリヂストンから待望の新作スタッドレスタイヤ「ブリザック WZ-1」が登場しました。長野の冬道を走る者として、タイヤの性能、特にアイスバーンでの安全性は何よりも重要視しています。カーすきも愛用しているVRX3でさえ万全とは言えない瞬間がある中で、このWZ-1が謳う「ブリザック史上断トツの氷上性能」という言葉は、非常に気になるところです。
4年ぶりの新作となるWZ-1は、ただのモデルチェンジではありません。新技術「ENLITEN(エンライトン)」を初搭載し、氷上性能はもちろん、ドライ路面での快適性や驚くほどのロングライフ性能まで、あらゆる面でVRX3を凌駕する可能性を秘めています。 高価な買い物だからこそ、その価格に見合うだけの価値があるのか、エンジニアの視点も交えながら徹底的にレビューします。

現在VRX3を使っているけど、WZ-1に買い替える価値は本当にあるの?

カーすきの結論としては、価格以上の「安心感」という価値が間違いなくあります。特にご家族を乗せて凍結路を走る機会が多いなら、この進化は絶大な安心材料になりますよ
- WZ-1とVRX3の具体的な性能データ比較
- 氷上・ドライ路面でのリアルな試乗レビュー
- なぜ4年後も性能が落ちにくいのか、その秘密
- あなたにとってWZ-1が本当に「買い」かどうかの判断基準
WZ-1は「買い」かの総合評価
ブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ、ブリザックWZ-1が「買い」かどうか、結論から言えば、冬道の安全性を最優先に考えるドライバー、特にアイスバーンでの性能に妥協したくない方にとっては、間違いなく「買い」です。従来モデルのVRX3も非常に優れたタイヤですが、WZ-1はそれをあらゆる面で上回る、まさに新世代のスタッドレスタイヤと呼ぶにふさわしい性能を備えています。
その最大の理由は、ブリザック史上「断トツ」と謳われる氷上性能にあります。 これは単なるキャッチコピーではなく、従来モデルVRX3と比較して氷上ブレーキ性能を11%短縮するという明確なデータに裏付けられています。 この差は、万が一の場面で事故を防ぐ決定的な要因となり得ます。価格は確かに高価ですが、それ以上に得られる「絶対的な安心感」は、家族を乗せて冬道を走るドライバーにとって何物にも代えがたい価値があると言えるでしょう。
4年ぶりの新作ブリザックWZ-1-「買い」かの判断
2021年に登場したVRX3以来、4年ぶりとなる新作がこのWZ-1です。 単なる後継モデルではなく、名称を「VRX」から「WZ」へと一新したことからも、ブリヂストンの並々ならぬ自信がうかがえます。

名称が変わったのは、それだけ大きな進化があったということ?

その通りです。「WZ」は氷雪性能とサステナビリティ(持続可能性)という2つの最高性能を掛け合わせた「ダブル・ゼニス」を意味しており、まさに新世代の幕開けを象徴しています
WZ-1を選ぶべきかどうかの判断は、あなたがタイヤに何を最も求めるかによります。もし、少しでも高い安全性能、特に凍結路でのグリップ力を求めるのであれば、WZ-1を選んで間違いありません。 一方で、価格と性能のバランスを重視し、最新モデルでなくてもトップクラスの性能があれば十分と考えるなら、価格がこなれてきたVRX3も依然として優れた選択肢です。 しかし、WZ-1がもたらす安心感と性能の持続性を考慮すれば、長期的な視点でのコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
従来モデルVRX3からの明確な進化
WZ-1の進化は、VRX3と比較することでより鮮明になります。VRX3も発売当時はブリザック史上最高の氷上性能を誇る傑作でしたが、WZ-1はそれを全ての性能で上回ることを目指して開発されました。
性能項目 | ブリザック WZ-1 | ブリザック VRX3 |
---|---|---|
氷上ブレーキ性能 | 11%短縮 | 基準 |
氷上旋回性能 | 4%短縮 | 基準 |
性能の持続性 | 4年後もVRX3新品時を超える性能 | 経年により性能低下 |
ドライ路面性能 | 夏タイヤに近い静粛性と安定性 | 良好 |
搭載技術 | ENLITEN、Wコンタクト発泡ゴム | フレキシブル発泡ゴム |
この表が示す通り、進化は氷上性能だけに留まりません。後述する「ENLITEN」技術の恩恵により、ドライ路面での静粛性や乗り心地、さらには燃費性能への貢献も期待できます。 そして何より特筆すべきは、その高性能が長期間持続する「ロングライフ性能」です。 これまでのスタッドレスタイヤの常識を覆す、大きなアドバンテージです。
ブリヂストン史上「断トツ」の氷上性能
WZ-1が最も誇るのが、この「断トツ」の氷上性能です。スケートリンクのようなツルツルの氷上で行われたテストでは、発進、加速、制動、旋回のすべてにおいて、VRX3を凌駕する性能を見せつけました。
特にドライバーが体感しやすいのは、その圧倒的なグリップ力です。VRX3では空転してしまうようなアクセル操作でも、WZ-1はしっかりと氷を掴んで前に進みます。 ブレーキ時には、ABSが作動するようなフルブレーキはもちろん、じんわりと踏力を加減するような場面でも、意のままに制動力をコントロールできる安心感があります。 このコントロール性の高さが、万が一の際の危険回避能力に直結するのです。
価格と「安心感」への投資バランス
WZ-1の唯一の懸念点は、その価格設定でしょう。メーカー希望小売価格は13,970円から148,500円(税込/1本)と、プレミアムスタッドレスタイヤの中でも高価な部類に入ります。
しかし、この価格をどう捉えるかが重要です。これは単なるタイヤの購入費用ではなく、冬道における家族の安全を守るための「投資」と考えることができます。氷上ブレーキ性能が11%向上するということは、時速40kmからの制動で考えると、停止距離が1.68メートルも短くなる計算になります。 この1.68メートルが、追突事故を防ぐかどうかの分かれ目になるかもしれません。
さらに、4年後も性能が落ちにくいという点は、買い替えサイクルを延長できる可能性を示唆しており、長期的に見れば経済的なメリットにも繋がります。 初期投資は大きいものの、4シーズン、5シーズンと安心して使えるのであれば、1シーズンあたりのコストは決して高すぎるとは言えないでしょう。
WZ-1が実現した「断トツ」の氷上性能の秘密
WZ-1の圧倒的な氷上性能は、ブリヂストンが長年培ってきた技術の結晶であり、複数の革新的なテクノロジーによって支えられています。滑りの最大の原因である氷上の「水膜」を、いかに効率よく除去し、タイヤを氷に密着させるか。その一点を突き詰めた結果が、この性能に繋がっています。
その中核をなすのが、新開発のゴム技術と、水の流れを科学したトレッドパターンです。これらが連携することで、従来とは比較にならないレベルでの水膜除去能力を実現しました。
新技術「Wコンタクト発泡ゴム」の威力
ブリザックの強みである「発泡ゴム」が、WZ-1でさらなる進化を遂げました。 新たに採用された「Wコンタクト発泡ゴム」は、従来の発泡ゴムが持っていた気泡による吸水機能に加えて、全く新しいアプローチを取り入れています。
その秘密が、業界で初めて採用された「親水性向上ポリマー」です。 この特殊なポリマーは、ゴムの気泡が吸い取りきれなかった微細な水膜と結びつき、水の分子間力を利用して、滑る原因だった水を逆にグリップ力へと変換するという画期的な技術です。 まさに、敵を味方につけるような発想の転換と言えます。この技術により、氷とゴムの密着性が極限まで高められました。
業界初「親水性向上ポリマー」による水膜除去
もう少し詳しく「親水性向上ポリマー」の仕組みを説明します。従来のスタッドレスタイヤは、氷上の水膜をいかに「避けるか」「吸い取るか」という点に注力していました。しかし、WZ-1は、除去しきれなかったナノレベルの水膜を「利用する」という新たなステージに進みました。
- ステップ1:溝とサイプによる排水
- タイヤの大きな溝が、大部分の水を効率よく排出します。
- ステップ2:発泡ゴムの気泡による吸水
- 溝で排出しきれなかった水膜を、ゴム内部の無数の気泡がスポンジのように吸い取ります。
- ステップ3:親水性向上ポリマーによるグリップ変換
- それでも残るごくわずかな水膜を、親水性向上ポリマーが分子レベルで捉え、水との間に抵抗力を生み出すことで、強力なグリップ力を発生させます。
この3段階のプロセスによって、これまで不可能とされていたレベルでの水膜除去とグリップ確保を両立しているのです。
水を導き・除去する新トレッドパターン
WZ-1の氷上性能は、ゴムの進化だけで成り立っているのではありません。その性能を最大限に引き出すために、トレッドパターンも完全に新設計されました。特に重要な役割を担うのが、新たに採用された「L字ブロック」と「L字タンクサイプ」です。
これらの新形状が、氷上の水を巧みにコントロールし、Wコンタクト発泡ゴムが効果的に機能するための下地を作ります。

タイヤの溝の形でそんなに性能が変わるものなの?

はい、大きく変わります。特に氷の上では、いかに速く水を接地面から追い出すかがグリップの鍵を握ります。
WZ-1のパターンは、そのための工夫が満載されているんです。
水の回り込みを抑える「L字ブロック」
タイヤが氷の上を通過する際、ブロックの周りには水が回り込もうとします。この水の回り込みが、タイヤと氷の間の密着を妨げる一因となります。WZ-1に採用された「L字ブロック」は、ブロックの先端に突起を設けることで、この水の回り込みを物理的に抑制します。
これにより、タイヤの接地面がよりダイレクトに氷の表面を捉えることが可能になり、ブレーキやコーナリング時の安定性が向上します。細かな部分ですが、こうした地道な改良の積み重ねが、全体の性能を大きく引き上げているのです。
効率的な排水と貯水を実現する「L字タンクサイプ」
「L字タンクサイプ」は、WZ-1のトレッドパターンの中でも特にユニークな技術です。 これはタイヤ表面に刻まれたジグザグの細い溝(サイプ)のことで、2つの重要な機能を持っています。
機能 | 説明 |
---|---|
排水機能 | サイプに溜まった水を、より太い主溝へと効率よく導き、タイヤの外へ排出する |
貯水機能 | L字形状の部分が一時的に水を貯め込むことで、接地面への水の侵入を抑制する |
まるでスポイトのように水を吸い上げ、溜め込むことで、接地面を常にドライに近い状態に保とうとします。 この機能により、Wコンタクト発泡ゴムがその性能を100%発揮できる環境が整い、安定したグリップ力が生まれるのです。
ブリザックWZ-1とVRX3の徹底比較
ブリザックWZ-1の真価は、やはり従来モデルの最高峰であったVRX3と比較することで明確になります。試乗レビューや公開されているデータを基に、その性能差を具体的に見ていきましょう。「断トツ」という言葉が決して大げさではないことが、お分かりいただけるはずです。
比較項目 | ブリザック WZ-1 | ブリザック VRX3 | 差 |
---|---|---|---|
氷上ブレーキ性能 | 11%短縮 | 基準 | 明確な優位性 |
氷上旋回ラップタイム | 4%短縮 | 基準 | コントロール性の向上 |
滑り出しの挙動 | 穏やかで粘りがある | やや唐突 | 安心感の差 |
限界域のコントロール性 | 高く、立て直しやすい | 限界がやや低い | 安全マージンの拡大 |
制動距離の差(一例) | 13.32m | 15.00m | 1.68mの差 |
まず、最も重要な安全性を示す指標が氷上ブレーキ性能です。ブリヂストンの公式発表によると、WZ-1はVRX3と比較して氷上でのブレーキ制動距離を11%も短縮しています。
これは、例えばVRX3が15メートルで停止できる氷上路面において、WZ-1は約13.32メートルで停止できることを意味します。 この1.68メートルという差は、普段の運転では小さく感じるかもしれませんが、緊急時には天と地ほどの差になります。前の車との車間距離、交差点への進入時など、この差が追突事故を防ぐ最後の砦となり得るのです。
氷上旋回ラップタイムの4%短縮
次にコーナリング性能です。WZ-1は氷上旋回時のラップタイムも4%短縮しています。 これは、単に速く曲がれるということだけを意味しません。ラップタイムが縮まるということは、それだけタイヤのグリップに余裕があり、安定してコーナーをクリアできるということです。
カーブの途中で予期せぬ凍結路面に遭遇した際にも、タイヤがしっかりと路面を捉え続けるため、ドライバーは安心してハンドル操作に集中できます。この安定性が、冬の山道や高速道路のカーブなどでの安全運転に大きく貢献します。
試乗レビューで判明した「粘り」とコントロール性
データ上の性能差以上に、多くの試乗レビューで指摘されているのが、感覚的な「コントロール性の高さ」です。特に、タイヤがグリップの限界を迎える瞬間の挙動が、VRX3とは大きく異なります。
プロレーシングドライバーの佐藤琢磨選手も、「滑ってしまいそうな状況でもコントロール性が高いので車の挙動が穏やかで安心感があります」と評価しています。 この「穏やかさ」と「コントロール性」が、WZ-1の最大の美点の一つです。
滑り出しの挙動-WZ-1の穏やかさ
試乗レビューで共通して語られるのが、WZ-1の滑り出しが非常に穏やかである点です。 VRX3は限界を超えると比較的スパッと滑り出す傾向がありましたが、WZ-1は「これ以上は危ないですよ」とドライバーに知らせるように、じわじわと限界を伝えてくれます。
この「粘り」があるおかげで、ドライバーはタイヤの限界を察知しやすく、グリップを失う前に対処する時間的余裕が生まれます。アクセルを少し緩める、ハンドルを少し戻すといった簡単な操作でグリップを回復させやすく、万が一滑り出してもパニックに陥ることなく冷静に対処できるのです。
VRX3との限界挙動の違い
VRX3も優れたタイヤですが、限界域ではWZ-1に軍配が上がります。定常円旋回のようなテストでは、VRX3が限界を超えて外側に流れてしまう速度域でも、WZ-1は安定して周回を続けることができたという報告があります。
これは、新技術「ENLITEN」によってタイヤ全体の剛性が最適化され、コーナリング中でも接地面が均一に保たれるようになった効果が大きいと考えられます。 この限界性能の高さは、緊急回避時など、とっさのハンドル操作が求められる場面での安全マージンを大きく広げてくれます。
制動距離1.68メートルの「安心感」
改めて、氷上ブレーキ性能11%短縮がもたらす1.68メートルの差について考えます。 これは、成人男性の歩幅にして約2歩分です。

たった2歩分で、そんなに変わるものかな?

その2歩分が、大きな違いを生みます。例えば、横断歩道の手前で止まろうとしたとき、この差があれば歩行者を守ることができます。
渋滞の最後尾に気づくのが遅れたときも、この差が追突を回避する決め手になるかもしれません。
この数値は、単なる性能データではありません。冬道を走るすべてのドライバーとその家族にとっての「安心感」そのものなのです。この絶対的な安心感こそが、WZ-1がVRX3から進化した最大の価値と言えるでしょう。
WZ-1試乗で分かったドライ路面での印象
スタッドレスタイヤを選ぶ際、氷上性能に目が行きがちですが、実際には雪のないドライ路面を走行する機会も多いのが実情です。WZ-1は、このドライ路面での性能も驚くほど進化しており、夏タイヤに近い感覚で快適に運転できる点が大きな特徴です。
この進化の背景には、ブリヂストン独自のタイヤ設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」の存在があります。 この技術により、タイヤの基本性能が全方位で引き上げられ、氷上性能とドライ路面での快適性という、相反する性能を高次元で両立させることに成功しました。
スタッドレスタイヤ特有のノイズの大幅抑制
従来のスタッドレスタイヤの弱点として、ドライ路面での走行音が大きいことが挙げられました。しかし、WZ-1を装着して走り出すと、まずその静粛性の高さに驚かされます。
試乗レビューでは、「スタッドレスタイヤとは思えない静かさ」という評価が数多く見られます。 これは、タイヤのパターンノイズやロードノイズの発生メカニズムを解析し、ENLITEN技術によってノイズ源そのものを抑制する設計がなされているためです。
高い静粛性-「ゴォー音」と「シャー音」の低減
タイヤの走行音には、大きく分けて2種類あります。
ノイズの種類 | 音の質 | 主な発生原因 |
---|---|---|
ロードノイズ | ゴォーという低い音 | タイヤが路面を叩く振動が車体に伝わって発生 |
パターンノイズ | シャーという高い音 | トレッドの溝を空気が通り抜けることで発生 |
WZ-1は、これらの「ゴォー音」と「シャー音」の両方を効果的に低減しています。 特に、静粛性の高い電気自動車(EV)やハイブリッド車では、タイヤノイズが目立ちやすいものですが、WZ-1なら車内の会話や音楽を邪魔することなく、快適なドライブを楽しめます。日産セレナe-POWERのような静かなミニバンでの試乗でも、その静かさは高く評価されています。
夏タイヤに近いシャープなハンドリング性能
スタッドレスタイヤはゴムが柔らかいため、ハンドル操作に対する応答が少し遅れる、いわゆる「グニャッとした」感覚になりがちです。しかし、WZ-1のハンドリングは驚くほどシャープで、夏タイヤに近いダイレクトな操舵感を実現しています。
レーシングドライバーの佐藤琢磨選手も「ほとんどサマータイヤみたいな動き」と評するほど、狙ったラインを正確にトレースできます。 これは、「WZ Motionライン」と呼ばれる新設計により、タイヤのたわみが最適化され、ドライバーの操作に遅れなく反応するためです。 交差点での右左折や車線変更もスムーズに行え、運転のストレスが軽減されます。
高速道路での優れた直進安定性
シャープなハンドリング性能は、高速道路での安定性にも貢献します。WZ-1は、まるで路面に吸い付くかのようにピタッと真っすぐ走ることができ、不要なハンドル修正が減るため、長距離運転でも疲れにくいというメリットがあります。
降雪地帯では、トンネル内や日当たりの良い区間だけドライ路面になっていることがよくありますが、そうした場面でも夏タイヤと変わらないしっかりとした走りが可能です。 タイヤがよれる感覚がほとんどないため、カーブでも安心して運転を続けることができます。
日産セレナe-POWERでの試乗インプレッション
車重のあるミニバン、日産セレナe-POWERでの試乗でも、WZ-1の評価は揺るぎません。 車重の軽いヤリスでの試乗と同様に、ドライグリップの確かさが際立っており、夏タイヤから履き替えても違和感なく運転できるレベルです。
細かいサイプが多いスタッドレスの見た目とは裏腹に、アクセルやブレーキのペダル操作に対して即座に反応し、ガチっとアスファルトを掴む感覚があります。 これは、WZ-1の高いグリップ性能と、タイヤ全体がよじれにくい構造設計の賜物です。
「ENLITEN」技術がもたらす快適な乗り心地
WZ-1のドライ路面での優れた性能は、すべて「ENLITEN」技術に集約されます。 この技術は、単に氷上性能を特化させるだけでなく、静粛性、乗り心地、ハンドリング性能、さらには燃費性能といった、タイヤに求められるあらゆる性能を底上げする設計思想です。
これにより、WZ-1は「冬専用の我慢のタイヤ」ではなく、「冬のあらゆる路面で快適かつ安全に走れるオールラウンドなタイヤ」へと進化しました。この快適性の高さは、冬の長距離ドライブをより楽しいものにしてくれるはずです。
WZ-1の「性能長持ち」-その耐久性の検証
スタッドレスタイヤの性能、特に氷上性能は、経年劣化によって徐々に低下していきます。ゴムが硬くなったり、吸水性能が落ちたりするため、多くのドライバーは溝が残っていても3~4シーズンでの買い替えを余儀なくされていました。しかし、ブリザックWZ-1は、この「性能の持続性」においても革命的な進化を遂げています。
そのキーワードは、「4年後も、新品のVRX3を超える氷上性能」。 これは、ユーザーにとって安全性はもちろん、経済的な観点からも非常に大きなメリットとなります。
4年経過後も新品VRX3を超える氷上性能
ブリヂストンの公開データによると、WZ-1は使用開始から4年が経過した状態でも、氷上ブレーキ性能において、なんと新品のVRX3を上回る結果を出しています。
これは驚くべき事実です。つまり、WZ-1を4シーズン使用したとしても、その時点での最新プレミアムタイヤ(VRX3)の新品時と同等以上の安全性が確保されているということです。これにより、ユーザーはタイヤの寿命を過度に心配することなく、冬のドライブを長く、安心感をもって楽しむことができます。

本当にそんなに長持ちするの?何か特別な技術があるの?

はい、その秘密はゴムの配合にあります。WZ-1には、ゴムの柔らかさを長期間維持するための特別なポリマーが使われているんです
「ロングステイブルポリマー」増量の効果
その秘密は、WZ-1に配合されている「ロングステイブルポリマー」にあります。 このポリマーは、時間の経過とともにゴムが硬くなるのを抑制し、しなやかさを維持する働きを持っています。
WZ-1では、VRX3と比較してこのロングステイブルポリマーの配合量を増量しました。 これにより、経年による性能低下を極限まで抑えることに成功したのです。 この技術が、WZ-1の「持続する安心感」を根底から支えています。
ゴムの柔らかさが長持ちする仕組み
スタッドレスタイヤの氷上性能は、ゴムの柔らかさに大きく依存します。柔らかいゴムは、氷の表面にある微細な凹凸にしっかりと密着し、グリップ力を生み出します。しかし、タイヤのゴムは紫外線や熱などの影響で時間とともに硬化し、性能が低下してしまいます。
ロングステイブルポリマーは、この硬化の原因となるゴム分子の結合の変化を防ぎます。その結果、4年という長い時間が経過しても、タイヤは新品に近い柔らかさを保ち続けることができるのです。これが、WZ-1が長期間にわたって高い氷上性能を維持できる理由です。
買い替えサイクル延長による経済性
「4年後も高性能を維持できる」ということは、スタッドレスタイヤの買い替えサイクルを延ばせる可能性を示しています。従来、3シーズンで交換していたユーザーであれば、4シーズン、あるいは5シーズンまで安心して使用できるかもしれません。
WZ-1は初期投資こそ高価ですが、1年長く使えるのであれば、1シーズンあたりのコストは従来モデルと変わらない、あるいはそれ以下になる可能性も十分にあります。高い安全性能が長く続くことは、結果的にコストパフォーマンスの向上にも繋がるのです。これは、賢い消費者にとって見逃せないポイントです。
ブリザックWZ-1の口コミとリアルな評判
専門家の高評価やメーカーの発表データも重要ですが、やはり気になるのは実際にWZ-1を体感した人たちの生の声です。ここでは、専門家やタイヤ販売店のプロ、そして実際に購入を検討しているユーザーから寄せられている口コミや評判を集めました。
専門家・タイヤ販売店からの評価
まず、タイヤのプロフェッショナルたちはWZ-1を高く評価しています。多くの試乗会レビューで共通しているのは、VRX3からの明確な進化、特に氷上でのコントロール性とドライ路面での快適性の向上です。
プロレーシングドライバーの佐藤琢磨選手は、「氷の上でもグリップ力が高く、ピタっと止まってくれます。滑ってしまいそうな状況でもコントロール性が高いので車の挙動が穏やかで安心感があります」とコメントしており、数値だけでは測れない感覚的な性能の高さを絶賛しています。 また、多くのタイヤ販売店も、その「断トツ」の氷上性能と、4年後も性能が落ちにくいロングライフ性能をWZ-1の大きな強みとして挙げています。
雪国出身スタッフによるリアルな比較レビュー
よりユーザーに近い目線でのレビューとして、雪国出身のタイヤ販売店スタッフによる比較試乗の感想は非常に参考になります。あるレビューでは、国産他社のスタッドレスタイヤと比較した際、WZ-1は「アクセルを踏んだ分だけ前に進み、ブレーキを踏んだ分だけ止まる」「特に曲がるときの安定感はすばらしい」と、意のままに操れるバランスの高さを評価しています。
凍結路面だけでなく、日差しで溶けたシャーベット状の路面や水たまりなど、刻々と変化する実際の雪道では、こうしたバランスの良さが何よりも安心に繋がると結論付けています。
一方で聞かれる「価格の高さ」
多くの高評価が集まる一方で、やはり「価格の高さ」を指摘する声も少なくありません。 性能が良いことは理解しつつも、予算の都合でVRX3を選ぶというユーザーもいます。
性能はWZ-1が上なのはわかるけど、値段が…。VRX3でも十分すぎる性能だし、価格差を考えると悩ましい。
結局、VRX3にしました。最新も魅力的だけど、数万円の差は大きい。型落ちといってもトップクラスの性能には変わりないし。
このように、最終的な判断は、性能への投資と予算のバランスをどう考えるか、という点に帰着するようです。
購入ユーザーの口コミ「ピタッと止まる」
実際にWZ-1を装着したユーザーからは、その性能に満足する声が届いています。
氷の上でもグリップ力が高く、ピタっと止まってくれます。滑ってしまいそうな状況でもコントロール性が高いので車の挙動が穏やかで安心感があります。数値的なスペックが高いのは当たり前ですが、数値だけでは測れない、感覚に訴えかけてくるような性能にも、非常にこだわって作られたタイヤだなと思います。
車を安全に走らせるためにはしっかり「止まる」ことが一番大切。このタイヤのグリップは安心・安全に繋がるんじゃないかな。
「コントロールしやすい」という安心感の声
「止まる」性能と並んで多く聞かれるのが、「コントロールしやすい」という評価です。
さらに、すべりやすい路面での車の挙動も穏やかで、コントロールしやすいですね。
冬道の「すべる」「止まらない」「曲がらない」というプレッシャーを非常に軽減してくれるので、長距離ドライブでも、冬道に慣れていない人でも快適に運転できると思います!
これらの口コミは、WZ-1が単に限界性能が高いだけでなく、ドライバーが安心して運転操作に集中できる「扱いやすさ」を兼ね備えていることを示しています。
ブリザックWZ-1のサイズ展開と価格情報
ブリザックWZ-1は、幅広い車種に対応できるよう、豊富なサイズラインアップが用意されています。ここでは、発売日や具体的なサイズ、そして気になる価格の目安について解説します。
2025年9月1日の発売日
ブリザックWZ-1は、2025年9月1日から順次発売が開始されました。 すでに多くのタイヤ販売店で取り扱いが始まっており、冬本番を前に早期の予約や購入が可能です。一部の特殊なサイズについては、発売が10月以降になる場合もあるため、詳しくは販売店にご確認ください。

もうお店で買えるんだね。自分の車に合うサイズはあるかな?

はい、軽自動車から大型のSUVまで、ほとんどの国産車・輸入車に対応できるサイズが揃っていますよ。ジムニーのような人気車種のサイズもしっかりラインアップされています
WZ-1のサイズ一覧-軽自動車からSUV・EVまで
WZ-1は、13インチから22インチまで、合計119サイズという非常に幅広いサイズ展開が特徴です。 これにより、軽自動車やコンパクトカー、セダン、ミニバンはもちろん、大口径タイヤを装着する大型SUVや、重量のある電気自動車(EV)まで、多種多様な車に対応します。
インチ | 主な対応車種 |
---|---|
13インチ | 軽自動車(旧規格)など |
14インチ | 軽自動車、コンパクトカー |
15インチ | コンパクトカー、セダン、ミニバン |
16インチ | セダン、ミニバン、SUV |
17インチ | スポーツセダン、SUV |
18インチ | 高性能セダン、SUV、ミニバン |
19インチ以上 | プレミアムカー、大型SUV |
詳細なサイズリストはブリヂストンの公式サイトで確認できますが、あなたの愛車にぴったりのサイズがきっと見つかるはずです。
ジムニー対応サイズのラインアップ
オフロード走行や雪道での走破性を重視するジムニーオーナーにとっても、WZ-1は注目のタイヤです。ジムニー(JB64/JB74)の純正サイズである「175/80R16 91Q」もしっかりとラインアップに含まれています。
高い氷上性能と雪上性能を両立したWZ-1は、ジムニーの持つポテンシャルを冬道で最大限に引き出してくれるでしょう。悪路走破性だけでなく、舗装路での静粛性や安定性も向上するため、オンロードでの快適性も高まります。
VRX3と比較した実売価格の目安
WZ-1の価格は、VRX3と比較すると1〜2割程度高価に設定されていることが多いようです。実売価格は販売店やサイズによって大きく異なりますが、一般的な乗用車サイズ(例: 205/60R16)の場合、4本セットの交換工賃込みでVRX3よりも2万円〜4万円ほど高くなることが予想されます。
確かに安価ではありませんが、これまで解説してきた性能向上、特に「氷上ブレーキ性能11%短縮」や「4年後も続く高性能」という圧倒的なアドバンテージを考慮すれば、その価格差には十分な価値があると判断できるのではないでしょうか。最終的には、ご自身の予算と、どれだけの安心感を求めるかによって、最適な選択が変わってくるでしょう。
よくある質問
- Qブリザック WZ-1は、VRX3と比べて何が一番違うのですか?
- A
一番の違いは、「断トツの氷上性能」と「性能の持続性」の2点です。
WZ-1は、従来モデルのVRX3と比較して氷上でのブレーキ性能が11%も短縮されています。
さらに、新開発のゴム技術により、4年経過後もVRX3の新品時に匹敵する高い氷上性能を維持するのが大きな特徴です。
- QWZ-1に搭載された新技術「ENLITEN(エンライトン)」とは何ですか?
- A
ENLITEN(エンライトン)は、ブリヂストンが開発した新しいタイヤ設計の基盤技術です。
この技術は、氷上性能のような特定の性能を突出させながらも、静粛性や乗り心地、燃費性能といったタイヤ全体の基本性能を底上げすることを可能にします。
WZ-1では、この技術によりスタッドレスタイヤでありながら夏タイヤのような快適な乗り心地と、高い安全性能を両立させています。
- Q「4年後も性能が落ちにくい」というのは、どういう仕組みですか?
- A
WZ-1には、ゴムの柔らかさを長期間保つための「ロングステイブルポリマー」という成分が、VRX3よりも多く配合されています。
スタッドレスタイヤのゴムは時間とともに硬くなり、氷上性能が低下しますが、このポリマーがゴムの硬化を防ぎます。
その結果、4年という長い期間が経過しても、新品に近いしなやかさと高い氷上性能を維持できるのです。
- Q雪のない普通の道を走るときの乗り心地や音はどうですか?
- A
夏タイヤに近い静粛性とシャープなハンドリング性能が特徴です。
スタッドレスタイヤ特有の「ゴォー」というロードノイズや「シャー」というパターンノイズが大幅に抑制されており、静かな車内で快適なドライブが楽しめます。
また、ハンドル操作への応答性も良く、高速道路での車線変更やカーブでも安定した走行が可能です。
- Q価格が高いですが、VRX3との価格差に見合う価値はありますか?
- A
カーすきとしては、価格以上の「安心感」という価値があると考えています。
氷上ブレーキ性能が11%向上するということは、万が一の場面で事故を回避できる可能性がそれだけ高まるということです。
例えば、VRX3なら15mで止まる氷の道で、WZ-1は約13.3mで止まれます。
この約1.7mの差が、家族の安全を守ることに繋がります。
さらに、性能が長持ちするため、結果的に長く安心して使えるという経済的なメリットもあります。
- Q私のクルマに合うサイズはありますか?
- A
WZ-1は、軽自動車から大型SUV、輸入車や電気自動車(EV)まで、幅広い車種に対応できるよう、13インチから22インチまで合計119サイズがラインアップされています。
ジムニーの純正サイズ(175/80R16)も含まれているため、多くのクルマでWZ-1の性能を体感することが可能です。
- Q氷の上で「コントロールしやすい」とは、具体的にどういうことですか?
- A
WZ-1はタイヤが滑り出す限界の挙動が非常に穏やかです。
VRX3が限界を超えると比較的急に滑り出すのに対し、WZ-1は「これ以上は危ない」と知らせるように、じわじわと滑り始めます。
この粘りのある特性のおかげで、ドライバーはタイヤの限界を察知しやすく、アクセルを少し戻すなどの簡単な操作でグリップを回復させやすいのです。
この扱いやすさが、凍結路での絶大な安心感に繋がっています。
この記事のまとめ
この記事では、2025年9月に登場したブリヂストンの新作スタッドレスタイヤ「ブリザック WZ-1」について、従来モデルVRX3との比較を交えながら徹底的にレビューしました。最大の進化点は、ブリザック史上「断トツ」と謳われる氷上性能であり、雪国に住むドライバーにとって絶大な安心感をもたらします。
- VRX3を11%上回る氷上ブレーキ性能と、滑り出しが穏やかで扱いやすいコントロール性
- 4年後も新品のVRX3を超える性能を維持する、驚異的な耐久性
- スタッドレスタイヤとは思えない静粛性と、夏タイヤに近いシャープな乗り心地
WZ-1は高価ですが、その価格は万が一の事故を防ぐ「絶対的な安心感」への投資です。特にご家族を乗せて凍結路を走る機会が多いなら、その価値は計り知れません。この記事でWZ-1の真価をご理解いただき、冬のタイヤ選びの参考にしてください。