こんにちは、カーすきです。2025年9月に同時発売されたスタッドレスタイヤの最新フラッグシップモデル2機種について、皆さんと一緒に深掘りしていきたいと思います。
冬シーズンの到来に備え、スタッドレスタイヤの買い替えを検討している方も多いでしょう。ブリヂストンのBLIZZAK WZ-1とヨコハマのiceGUARD 8(IG80)は、両社が総力を結集した最高峰モデルです。氷上性能、雪上性能、寿命、価格、そしてハイブリッド車への対応まで、どちらを選ぶべきか悩むのは当然です。

WZ-1とIG80の違いを知りたいけど、技術的な話は複雑で判断しづらい、どちらが自分に合っているのか確信が持てない

このガイドでは、両タイヤの技術的背景から実際のドライビング環境での性能差、そして「あなたに本当に合うタイヤはどちらか」という結論までを、カーすきが責任を持ってお伝えします
この記事でわかること:
- BLIZZAK WZ-1とiceGUARD 8(IG80)の氷上性能の違いと優劣
- 4年後の性能持続性(ゴムの劣化抑制)の実態
- ハイブリッド車(特にRAV4)との相性差
- 使用環境別のおすすめモデル判定
BLIZZAK WZ-1とiceGUARD 8(IG80)の基本スペック比較
2025年のスタッドレスタイヤは、かつてないほどの技術革新が詰め込まれています。
| 項目 | BLIZZAK WZ-1 | iceGUARD 8(IG80) |
|---|---|---|
| メーカー | ブリヂストン | ヨコハマ |
| 発売日 | 2025年9月1日 | 2025年9月1日 |
| 主要技術 | Wコンタクト発泡ゴム / ロングステイブルポリマー / ENLITEN | 冬ピタ吸水ゴム / 水膜バスター / E+マーク対応 |
| 氷上ブレーキ性能 | VRX3比11%短縮 | iG70比14%向上 |
| 氷上旋回性能 | VRX3比4%短縮 | iG70比13%向上 |
| ウェット性能 | ◎ | ◎ |
| ドライ性能 | ◎ | ◎ |
| 雪上性能 | ◎ | ◎ |
| 性能持続性(4年後) | ◎(発泡ゴム実績) | ◎(オレンジオイルS+) |
| ハイブリッド対応 | ENLITENで軽量化・燃費向上 | E+マーク搭載 |
| 価格帯 | やや高め | 標準レベル |
| 装着感 | 総合バランス重視 | 氷上性能特化 |
どちらも同じ日の発売で、どちらも最高水準の性能を備えています。ただし、その追求する方向性は異なるのです。

この2つのタイヤ、何がそんなに違うんですか

キーワードは「ゴムの仕組み」です。同じ氷上性能の向上を目指しても、その技術的アプローチが根本から違うため、あなたの運転環境や車の特性に合う・合わないが生まれるわけです
BLIZZAK WZ-1の技術と強み:ロングセラー発泡ゴムの進化形
ブリヂストンの発泡ゴム技術は、スタッドレスタイヤの歴史の中で何度も進化を遂げてきました。WZ-1に搭載された「Wコンタクト発泡ゴム」は、その集大成です。
氷上での密着性を高める「Wコンタクト発泡ゴム」の仕組み
スポンジのような構造を持つ発泡ゴムは、氷の表面にある水膜を「吸い取る」という原理で機能します。氷上でのスリップは、タイヤゴムと氷の間の薄い水膜が原因になります。その水膜を除去することで、ゴムが直接氷に触れる接地面を増やし、グリップ力を向上させるのです。
WZ-1では、この発泡ゴムをさらに進化させ、ゴム内部の気泡(水を吸い取る穴)をより効率的に配置しました。結果として、VRX3比で氷上ブレーキ性能が11%短縮、氷上旋回性能が4%短縮という成果につながっています。
4年使用後も柔らかさを維持:ロングステイブルポリマー
スタッドレスタイヤの宿命は、時間とともにゴムが硬くなることです。使用開始から3年、4年と経過すると、ゴムの柔軟性が失われ、氷上性能が低下していくのが通常です。これを「経年劣化」と呼びます。
WZ-1に配合された「ロングステイブルポリマー」は、この劣化を大幅に抑制します。新しい分子構造を持つポリマーが、ゴムの内部結合を安定させ、4年使用後でも新品時に近い柔らかさを維持できるという設計です。メーカー公表では「4年使用後も新品のVRX3を超える柔らかさ」を維持するとされています。
長野県で毎シーズンスキー場へ向かう家族にとって、この性能持続性の確かさは大きな安心につながります。

でも、4年後って本当に効いているんですか。実績はあるんですか

発泡ゴム技術自体が、ブリヂストンの長年の実績に基づいています。従来のVRX3シリーズでも、4年後の氷上性能維持については、多くのドライバーから信頼を得ています。
WZ-1はその技術をさらに磨いたモデルです。
あらゆる路面で高水準:ENLITENによる総合性能の向上
WZ-1に搭載されたENLITEN技術は、スタッドレスタイヤとしては初の採用です。この技術は、タイヤ自体を軽量化し、転がり抵抗を低減させるもので、燃費性能と操縦安定性の向上に直結します。
ハイブリッド車やEV車が増加する時代背景の中で、ブリヂストンは「氷上性能」だけでなく「燃費性能」も追求したわけです。実際にWZ-1の氷上ブレーキ、ウェット性能、ドライ性能のスペックを見ると、すべてが◎評価となっており、「スタッドレスながら総合バランスに優れたタイヤ」という立ち位置が見て取れます。
乾いた路面でのハンドリング安定性も高いため、スキー場への高速道路走行時にも安心感があります。
ドライバーが実感する「安心感」:WZ-1の口コミから
氷の上でもグリップ力が高く、ピタっと止まってくれます。滑ってしまいそうな状況でもコントロール性が高いので車の挙動が穏やかで安心感があります。
数値的なスペックが高いのは当たり前ですが、数値だけでは測れない、感覚に訴えかけてくるような性能にも、非常にこだわって作られたタイヤだなと思います。
ユーザーの評価では「止まる」という絶対的な性能とともに、「滑り始めてからの挙動が穏やか」という点が評価されています。これは、発泡ゴムの特性によるコントロール性の高さを反映しています。
iceGUARD 8(IG80)の技術と強み:氷上性能に特化した革新技術
ヨコハマのiceGUARD 8(IG80)は、「冬テック」という新しい技術思想に基づいています。その考え方は、WZ-1とは異なります。
氷との「接触」を最大化する「冬ピタ吸水ゴム」と「水膜バスター」
IG80の最大の特徴は、氷とゴムの接触点を徹底的に増やすという戦略です。新開発の吸水素材「水膜バスター」を、従来比で「高密度」に配合することで、氷上での密着性を追求しています。
具体的には、吸水素材を小型化して、ゴム内部に高密度で分散させ、氷との接触面積を従来品(iG70)比で63%も増やしたとされています。この結果が、メーカー公表値で氷上ブレーキ性能14%向上、氷上旋回性能13%向上という驚異的な数値につながっています。
WZ-1の11%短縮と比較すると、数値上はIG80の方が優れているということになります。
雪上性能も強化:アイスガード史上最大の溝エッジ量
IG80は氷上性能だけでなく、雪上性能にも注力しています。タイヤの溝や細かな切れ込み(サイプ)の総長を増やすことで、圧雪路面でも雪をしっかり掴む力を高めています。
冬道での走行シーンを想像してみてください。交差点の凍結路(氷上)ばかりでなく、まだ雪が積もっている朝の走行や、スキー場への道中での圧雪路面も想定する必要があります。IG80は、これらすべての路面での性能を同時に追求しているわけです。
E+マーク搭載:ハイブリッド車・EV車への最適化設計
IG80には「E+」マークが刻印されています。これは、ハイブリッド車やEV車特有のニーズ(静粛性の高さ、発進トルクの強さ)を考慮した設計であることを示します。

RAV4ハイブリッドに乗っていると、E+マーク対応って何が違うんですか

ハイブリッド車やEV車は、ガソリン車と比べてエンジン音がしないぶん、タイヤからのパターンノイズ(ゴムが道路をたたく音)が相対的に大きく聞こえます。また、発進時の電動モーターのトルク(力)が非常に強いため、タイヤが空転しやすいという特性があります。
E+対応設計なら、これらの課題に対応した構造になっているということです。
タイヤのパターン設計や接地面の剛性を強化することで、パターンノイズを抑え、発進時の空転を防ぐ工夫が施されています。
性能持続性:オレンジオイルS+による長期ケア
IG80も4年使用後の性能維持を重視しており、「オレンジオイルS+」を配合しています。従来のオレンジオイルSを進化させたこの素材が、ゴムの劣化を抑え、しなやかさを長期間維持するとされています。
WZ-1のロングステイブルポリマーとIG80のオレンジオイルS+は、どちらも「4年後までの性能維持」を謳っていますが、技術的アプローチが異なります。発泡ゴム技術には長年の実績があり、多くのドライバーが信頼していますが、新しい吸水ゴム技術も急速に進化しており、信頼性は確実に高まっています。
氷上性能の徹底比較:「止まる」と「コントロール」の違い
冬道での最大の関心事は、「果たして止まるのか」という一点です。ここを詳しく見てみましょう。
氷上ブレーキ性能:数値上の勝負ではIG80が優位
メーカー公表値では、IG80がWZ-1を上回っています。
iceGUARD 8(IG80):iG70比14%向上
BLIZZAK WZ-1:VRX3比11%短縮
数値だけを見ると、IG80の方が優れているということになります。特に「早朝の交差点手前のブラックアイスバーン」でのブレーキ性能は、この14%という数値が直結する重要な要素です。

14%と11%、2年目の子どもを乗せている身としては、この3%の差が命にかかわるのか

厳密に言うと、両者とも高い氷上ブレーキ性能を備えており、「必ずIG80の方が止まる」とは言い切れません。なぜなら、実際のブレーキ距離は、タイヤだけでなくABSシステム、ブレーキ配分、路面状況、気温などの要因に左右されるからです。
ただし、設計段階では、IG80がより氷上ブレーキ性能に特化しているということは事実です。
氷上旋回性能:コーナリングでの安定感
氷上でのコーナリング(曲がる性能)も、両者で異なります。
iceGUARD 8(IG80):iG70比13%向上(接触面積最大化による即座のグリップ確保)
BLIZZAK WZ-1:VRX3比4%短縮(コントロール性重視による穏やかな挙動)
IG80は、接触面積を最大化することで、即座にグリップ力を発揮する特性があります。一方、WZ-1は、ゴムのしなやかさを活かして、滑り始めの車の挙動を穏やかに保つ特性があります。
つまり、カーブに侵入する際の「ぐっと効く感覚」はIG80が強く、滑り始めた時の「ドライバーが立て直しやすい感覚」はWZ-1が強いということになります。
実走行でどう違うのか:長野県の冬道シーンで考える
長野県にお住まいで、市街地の凍結路とスキー場への高速・山道走行の両方を経験されている方なら、これらの違いがより明確に感じられるはずです。
朝の通勤時に交差点の凍結路を走る場合、IG80の「氷上ブレーキ14%向上」という性能は直接的に安心感につながります。一方、スキー場への帰路に山道の凍結カーブを走る場合、WZ-1の「滑り始めのコントロール性」が、家族を乗せた自分の心理的負担を大きく軽減するという側面もあります。
この違いをどう評価するかが、IG80とWZ-1の選択を分ける大きなポイントになります。
4年後の性能持続性:スタッドレスタイヤの宿命との戦い
スタッドレスタイヤは高価です。だからこそ、4年後までしっかり効いてほしいというのが、多くのドライバーの願いです。
発泡ゴムの実績:WZ-1の優位性
ブリヂストンの発泡ゴム技術は、スタッドレスタイヤの歴史の中で最も長い実績を持っています。すでにVRX3の時点で、4年使用後の氷上性能維持について、多くのドライバーから信頼を獲得していました。
発泡ゴムの構造的な特性として、ゴムがすり減っても新しい気泡(水の吸い取り穴)が出てくるため、理論的には性能が落ちにくいという利点があります。
WZ-1に配合されたロングステイブルポリマーにより、4年後のゴムの硬化をさらに抑制できるという説は、ブリヂストンの公表データと、既存ユーザーの実体験の両面から支持されています。
新しい吸水ゴムの可能性:IG80の未検証な部分
一方、IG80の「冬ピタ吸水ゴム」と「オレンジオイルS+」は、より新しいアプローチです。2025年の発売直後のモデルであるため、4年後の実績データが、まだ存在しないという状況があります。
メーカーは「4年後までの性能維持を確実にした」と公表していますが、実際に4年間の使用を経たドライバーからの「使用感」データは、数年後に蓄積されていくわけです。

新しい技術だと、4年後が不安な気がします

これは妥当な懸念です。ただし、ヨコハマも信頼性の高いメーカーですし、オレンジオイル自体も従来品で使用実績があります。
「発泡ゴムの長年の実績があるから安心」と考えるか、「新しい技術による14%向上という明確な性能差を優先する」と考えるかは、あなたの判断次第です。
長野県での使用環境を考えると、この4年後の性能差が実生活に大きく影響する可能性があります。お子さんを乗せた冬道走行の安全性を最優先するなら、実績のあるWZ-1に信頼を置くドライバーが多いのは自然なことです。
ハイブリッド車(RAV4)との相性比較
RAV4ハイブリッドにお乗りとのことですが、この車とスタッドレスタイヤの相性も、選択に大きな影響を及ぼします。
IG80の「E+マーク」対応設計
IG80には「E+」マークが刻印されており、ハイブリッド車やEV車のニーズに対応した設計がなされています。具体的には、以下の点が考慮されています。
パターンノイズの低減化、発進トルクへの対応、静粛性の確保
ハイブリッド車は、ガソリン車と異なり、発進時にモーターのトルクが直接タイヤに伝わります。この時点で、タイヤが空転しやすいという課題があります。E+対応設計なら、この空転を防ぐ工夫が施されています。
WZ-1の「ENLITEN」による軽量化と燃費向上
一方、WZ-1のENLITEN技術は、タイヤ全体を軽量化し、転がり抵抗を低減させます。これは、ハイブリッド車やEV車の燃費性能に直結する利点です。
ハイブリッド車は、回生ブレーキというシステムで、走行中の余ったエネルギーを回収して充電に活用しています。タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減は、この回生ブレーキの効率を高め、結果として電費(走行距離あたりの電力消費)を改善します。
スキー場への高速道路走行や、乾いた路面での安定性も、WZ-1のENLITEN技術により高められています。

IG80のE+対応とWZ-1のENLITEN、どちらがRAV4ハイブリッドに合っているんですか

これは、あなたの運転優先事項によって変わります。パターンノイズや発進時の扱いやすさを重視するなら、IG80のE+対応。
燃費性能と走行安定性を重視するなら、WZ-1のENLITEN。どちらを選んでも、RAV4ハイブリッドとの相性は良好です。
実際には、ガソリン車でもハイブリッド車でも、スタッドレスタイヤの基本性能(氷上性能、雪上性能)の方が、装着車の燃費や静粛性よりもはるかに重要です。
使用環境別のおすすめ判定
ここからは、具体的な使用環境ごとに、IG80とWZ-1のどちらがおすすめかをまとめます。
IG80(iceGUARD 8)がおすすめの方
氷上性能の絶対値を最優先する方、ハイブリッド車やEV車の静粛性・トルク対応を重視する方、市街地での凍結路の走行が中心の方、公表されている「氷上ブレーキ14%向上」という数値に信頼を置く方
| 優先順位 | 特徴 |
|---|---|
| 1位 | 氷上ブレーキ性能の絶対値(14%向上) |
| 2位 | E+マークによるハイブリッド対応 |
| 3位 | 氷上旋回性能(13%向上) |
| 4位 | 雪上性能の充実 |
4年後までの性能持続性に不安を感じる方、発泡ゴム技術の長年の実績に信頼を置く方、総合バランス性能を重視する方、スキー場への高速・山道走行を頻繁に行う方、ドライ・ウェット路面でも安定性を求める方
| 優先順位 | 特徴 |
|---|---|
| 1位 | 性能持続性(ロングステイブルポリマー) |
| 2位 | 総合バランス性能(氷上・雪上・ドライ・ウェット) |
| 3位 | ENLITEN による軽量化・燃費向上 |
| 4位 | 発泡ゴム技術の長年の実績 |
最終的な判定のために、3つの質問を自分に投げかけてみてください。
質問1:氷上ブレーキの「14%向上」という数値を信頼しますか
IG80を選ぶべき方は、この数値に価値を感じる方です。設計段階での明確な性能差が、実走行でも体感できると考える方に向いています。一方、WZ-1は従来比で11%短縮と、やや保守的な数値ですが、その代わりに4年後の性能持続を重視しています。
質問2:4年後のゴムの硬化リスクにどの程度の不安を感じますか
スタッドレスタイヤは4年が目安とされていますが、実際には4年を超えても使用を継続するドライバーも多くいます。3年目から4年目へ向かう時点で、ゴムの硬化を実感する方もいれば、ほとんど実感しない方もいます。WZ-1のロングステイブルポリマーは、この不安を最小化するために搭載されています。
質問3:RAV4ハイブリッドの「静粛性」と「走行安定性」のどちらをより重視しますか
IG80のE+対応は、ハイブリッド車特有の静粛性の中でのパターンノイズ低減に効果的です。一方、WZ-1のENLITEN技術は、ハイブリッド車の軽さを活かした走行安定性と燃費向上に貢献します。どちらを優先するかで、選択が大きく変わります。

最後に、カーすきからのアドバイスをもらいたいです

長野県での使用環境、RAV4ハイブリッド、そして何より「子どもたちの安全」を最優先に考えるあなたのなら、この2択は、どちらを選んでも正解です。ただ、「4年後も安心して使いたい」という強い思いがあるなら、BLIZZAK WZ-1。
「今この瞬間の氷上性能を最大化したい」という強い思いがあるなら、iceGUARD 8(IG80)。どちらを選んでも、家族の安全は確実に守られます。
まとめ:2025年のスタッドレスタイヤ選びは「技術的アプローチ」の選択
2025年のスタッドレスタイヤ市場は、BLIZZAK WZ-1とiceGUARD 8(IG80)という2つの最高峰モデルが並立しています。どちらを選ぶかは、単なる性能スペックの数字では決まりません。
氷上性能への追求方法の違い(発泡ゴムの実績 vs 新しい吸水ゴムの性能値)、性能持続性への考え方の違い(長期安定 vs 新技術の信頼性)、そしてハイブリッド車への対応方法の違い(軽量化による燃費 vs 静粛性・トルク対応)が、あなたの判断を分けるポイントになります。
ブリヂストン BLIZZAK WZ-1は、発泡ゴム技術の長年の実績に裏打ちされた、安心と総合バランスを追求したモデルです。対するヨコハマ iceGUARD 8(IG80)は、新しい冬テック技術による「氷上性能の14%向上」という明確な設計目標を達成したモデルです。
このガイドの情報をもとに、ご自身の運転スタイル、使用環境、そして「何を最優先するか」という価値観で、判断してみてください。冬シーズンが安全で快適な運転になることを、カーすきは心から応援しています。
よくある質問
- QWZ-1とIG80、見た目のトレッドパターン(溝の模様)に違いはありますか?
- A
はい、WZ-1とIG80ではトレッドパターンに違いがあります。
BLIZZAK WZ-1は、氷上の水膜を効率よく排出するための「L字タンクサイプ」が特徴的な非対称パターンを採用しています。
一方、iceGUARD 8(IG80)は、AIを活用して設計された専用の非対称パターンで、接地面積を最大化し、ブロック剛性を高める工夫が見られます。
タイヤ側面のデザインも異なり、IG80には「八」と「8」をモチーフにしたデザインが採用されています。
- QWZ-1とIG80の静粛性について、具体的な騒音レベルの違いは分かりますか?
- A
メーカーから具体的な騒音レベル(デシベル値など)の比較データは公表されていません。
しかし、BLIZZAK WZ-1は夏タイヤREGNO由来のパターンノイズ低減技術を採用し、前モデルVRX3以上の静粛性を目指しています。
iceGUARD 8(IG80)も、従来品(iG70)と比較してロードノイズやパターンノイズを低減する設計が施されており、E+マーク対応として静粛性にも配慮されています。
口コミやレビューを見ると、どちらも高い静粛性を持つという評価ですが、感じ方には個人差があります。
- QWZ-1やIG80の性能を4年間維持するために、気をつけるべき点は何ですか?
- A
WZ-1の性能持続性やIG80の寿命を最大限に引き出すためには、適切なタイヤ管理が重要です。
まず、定期的な空気圧点検と調整は必須となります。
空気圧が低いと偏摩耗の原因となり、性能低下を早めます。
次に、4年後まで性能を保つためには、5000km走行ごとを目安にしたタイヤローテーション(装着位置の入れ替え)が推奨されます。
保管時は、直射日光や雨水を避け、タイヤに負荷がかからないように保管することがゴムの劣化を防ぎます。
- QWZ-1は旧モデルのVRX2と比べて、どのくらい性能が向上していますか?
- A
BLIZZAK WZ-1は、2世代前のVRX2と比較すると、各性能が大きく向上しています。
直接的な比較データは少ないですが、WZ-1はVRX3から氷上ブレーキ性能が11%短縮されており、VRX3自体がVRX2から氷上ブレーキ性能を20%短縮していました。
単純計算ではありませんが、WZ-1はVRX2から見ると氷上ブレーキ性能が大幅に向上していることがわかります。
加えて、ENLITEN技術の採用による軽量化や走行安定性の向上も、VRX2にはない進化点です。
- QIG80は旧モデルのiG60やiG70と比べて、具体的に何が変わりましたか?
- A
iceGUARD 8(IG80)は、前モデルのiG70から氷上性能が大きく進化しました。
具体的には、氷上ブレーキ性能が14%、氷上旋回性能が13%向上しています。
これは「冬テック」コンセプトに基づき、「冬ピタ吸水ゴム」と「水膜バスター」によって氷との接触点を増やした結果です。
雪上ブレーキ性能も4%向上しました。
iG60と比較すると、さらに大きな性能差があります。
ゴムのしなやかさを保つ「オレンジオイルS+」も進化しており、性能持続性にも配慮されています。
- QWZ-1とIG80は、主にどの国で製造されていますか?
- A
BLIZZAK WZ-1とiceGUARD 8(IG80)は、どちらも主に日本国内の工場で製造されています。
ブリヂストン、ヨコハマタイヤともに日本を代表するタイヤメーカーであり、基幹となるモデルは国内生産が中心です。
ただし、タイヤサイズや生産時期によっては、海外の工場で製造されたものが流通する可能性もゼロではありません。
購入時にタイヤ側面の刻印で製造国を確認できます。
- QWZ-1やIG80を新品で購入した場合、慣らし運転は必要ですか?
- A
新品のスタッドレスタイヤ、WZ-1やIG80を装着した場合、慣らし運転を行うことが推奨されます。
一般的に、雪道や凍結路を走行する前に、時速60km/h以下で200km程度の距離を乾いた路面で走行することが目安です。
新品タイヤの表面には製造工程で付着した油分などが残っている場合があり、慣らし運転によってタイヤ表面が一皮むけ、本来のグリップ力を発揮できるようになります。
急ブレーキ、急ハンドル、急発進を避け、安全運転を心がけることが重要です。
この記事のまとめ
WZ-1とIG80の比較、2025年の最新スタッドレスタイヤ選びで最も注目される対決について解説します。ブリヂストンのBLIZZAK WZ-1とヨコハマのiceGUARD 8(IG80)は、どちらも最高峰の氷上性能を誇りますが、その技術アプローチと強みは異なります。氷上ブレーキ性能の数値を重視し、ハイブリッド車との相性を考えるならIG80、4年後までの性能持続性と総合バランスを求めるならWZ-1が有力な候補です。
- WZ-1は発泡ゴム技術とENLITENで性能持続性と総合バランスを追求
- IG80は冬テック技術で氷上ブレーキ・旋回性能の向上率が大きい
- ハイブリッド車には静粛性重視ならIG80(E+マーク)、燃費重視ならWZ-1(軽量化)
- あなたの優先順位(氷上性能の絶対値か、4年間の安心感か)で最適な選択肢が変わる
この比較を通じて、WZ-1とIG80のどちらがあなたの冬のドライブを安全・快適にするための最適なパートナーとなるか、見極める手助けができれば幸いです。ご自身の運転環境や重視するポイントを再確認し、納得のいくタイヤ選びをしてください。



